ボッチャのルールをやさしく解説
ボッチャは、白い目標球「ジャック」に向かって赤と青の球を投げ、どれだけジャックの近くに寄せられるかを競うスポーツです。 もともとは重い障がいのある人のために考えられた競技で、パラリンピックの正式競技でもあります。力の強さより、狙いと作戦が勝負を分けるので、子どもから高齢の方まで、障がいのある人もない人も一緒に楽しめます。
このページは、国際競技団体 World Boccia の最新の規則 「World Boccia International Rules 2025–2028(v1.0、2024 年 12 月)」をもとに、初めての人向けに要点を自分たちの言葉でまとめたものです。 規則の全文ではありません。大会に出るときは、主催者が示す規則と、World Boccia が公開している原文を確かめてください。
1. 球とコート
球
使う球は、赤 6 個、青 6 個、白いジャック 1 個の合わせて 13 個です。 球は革や合成皮革でできた柔らかいもので、転がるだけでなく、少しつぶれて止まったり、ほかの球に当たって押し出したりします。 公式の球は、周りの長さが約 27cm(直径でおよそ 8.6cm)、重さが約 275g と決められています。
コート
公式のコートは縦 12.5m × 横 6m の平らな床です。片方の端に、選手が座って投げる「スローイングボックス」が 6 つ並びます。 ボックスの前には、ジャックがこれを越えないと有効にならない「V ライン」が引かれています。コートの中ほどにある「クロス(×じるし)」は、ジャックを置き直すときに使う場所です。
レクリエーションでは、体育館のバドミントンコートや教室の床に、テープでおおよその線を引いて遊ぶことも多いです。 大切なのは「投げる場所」「ジャックが越えるべき線」「コートの外」の 3 つが分かることです。
2. ペア戦とチーム戦
赤と青の 2 チームで対戦します。人数によって、1 人が持つ球の数とエンドの数が変わります。
| ペア戦 | チーム戦 | |
|---|---|---|
| 1 チームの人数 | 2 人 | 3 人 |
| 1 人の持ち球 | 3 球 | 2 球 |
| 1 チームの球(1 エンド) | 6 球 | 6 球 |
| エンドの数 | 4 エンド | 6 エンド |
どちらも、1 エンドで各チームが 6 球ずつ投げます。選手は決められたボックスに入り、ボックスの順番に沿ってジャックを投げる役が回っていきます。 そのため、どの選手も同じ回数だけジャックを投げることになります(ペアは 4 エンドで 4 人が 1 回ずつ、チームは 6 エンドで 6 人が 1 回ずつ)。
このほかに 1 人対 1 人の個人戦もありますが、このアプリはペア戦とチーム戦を対象にしています。
3. エンドの進め方
試合はいくつかの「エンド」に分かれています。1 エンドは次の順に進みます。
- 決められた選手がジャックを投げます。
- ジャックを投げた選手が、最初の色球を投げます。
- 次に、相手チームが 1 球投げます。
- そこからは、ジャックにいちばん近い球を持っていない側が投げます(くわしくは下の「次に投げるのはどちら?」)。
- 両チームが全部の球を投げ終えたら(または投げないと決めたら)、審判が得点を数えます。
コートの外に出た球や、持ち時間を過ぎてから投げた球は「無効」になり、コートから取り除かれます。無効になった球は得点に数えません。 全部のエンドが終わったら、各エンドの得点を合計して、多いチームの勝ちです。
4. ジャック(白い球)
- 投げる順番: 第 1 エンドは赤、第 2 エンドは青……と、奇数のエンドは赤、偶数のエンドは青がジャックを投げます。 同じチームの中でも、ボックスの順に投げる人が替わります。
- 有効・無効: ジャックが V ラインを越えずに止まったり、コートの外に出たりしたら無効です。 そのときは、次のエンドでジャックを投げる予定の選手が、代わりに投げます(最後のエンドなら、第 1 エンドの選手に戻ります)。有効になるまで順に回します。 次のエンドは、本来の順番どおりに戻ります。
- 途中でコートの外に出たら: 色球に当たってジャックがコートの外に出たときは、ジャックをクロスに置き直して続けます。
5. 次に投げるのはどちら?
ボッチャでいちばん大事な決まりです。ジャックにいちばん近い球を持っていない側、つまり「負けている側」が次に投げます。 近づけられるまで同じ側が何球でも続けて投げ、相手より近くなったら交代します。
たとえば、赤がジャックのすぐ近くに寄せたら、青は赤より近づけるまで投げ続けます。青が赤より近くなったら、今度は赤の番です。 負けている側が球を使い切ったら、残りの球はもう一方の側が続けて投げます。
同じ距離のとき
赤と青のいちばん近い球が、ジャックから同じ距離だったときは、最後に投げた側がもう一度投げ、その後は交互に投げます。
近さが目で分からないときは、審判がメジャーなどで測ります。次に投げる側が示された後、その側の選手は審判に得点の確認やメジャーでの計測を求めることができます。ただし「相手のどの球が近いか」のような球の位置についての質問には、審判は答えません。選手はコートに入って、自分で球の位置を確かめることができます(規則 15.6)。
6. 得点の数え方
エンドの終わりに、次のように数えます。
- ジャックにいちばん近い球を持っている側だけが得点します。
- 相手チームのいちばん近い球よりも、ジャックに近いところにある自分の球の数が、そのまま得点になります。
例: ジャックの近い順に「赤・赤・青・赤……」と並んでいたら、相手(青)のいちばん近い球より近い赤は 2 つなので、赤に 2 点、青は 0 点です。
いちばん近い赤と青が同じ距離だったときは、両方に 1 点ずつ入ります。さらにその次の球も同じ距離で並んでいれば、そのぶんも数えます。 1 エンドで入る点は、多くても 6 点です。
7. 同点のとき(タイブレーク)
全部のエンドが終わって合計が同じなら、「タイブレーク」という延長のエンドで勝ち負けを決めます。
- コイントスで勝った側が、先に投げるか後に投げるかを選びます。
- ジャックは投げずに、コートのクロスに置きます。
- ふつうのエンドと同じように投げて、得点の多い側の勝ちです。タイブレークの点は、試合の合計点には加えません。
- タイブレークでも同点なら、先に投げる側を入れ替えて、決着がつくまで繰り返します。
8. 持ち時間
公式の試合では、1 エンドごとに各チームの持ち時間が決まっています。自分たちの番のときだけ時計が進み、持ち時間を使い切ると、残りの球は投げられません。 ジャックを投げる時間も、投げたチームの持ち時間に入ります。
| 種目 | 1 エンドの持ち時間(各チーム) |
|---|---|
| チーム戦 | 5 分 |
| ペア戦(BC3) | 7 分 |
| ペア戦(BC4) | 4 分 |
エンドとエンドの間は 1 分です。審判が距離を測っている間などは、時計を止めます。
9. 反則とペナルティ
公式の規則には細かい反則がたくさんありますが、考え方はシンプルです。 「自分の番ではないのに投げた」「投げるときにボックスの線を踏んだ・越えた」「審判の合図の前に投げた」といった、決まりを破って得をしかねない行為が反則になります。
- ペナルティボール: 多くの反則では、相手チームに「ペナルティボール」が 1 球与えられます。 エンドの最後に、決められた 35cm 四方の的に向かって投げ、的に入れば 1 点が加わります。
- 球の取り除き: 反則の内容によっては、反則をして投げた球がコートから取り除かれます。
- 警告・失格: 悪質な行為やくり返しの反則には、イエローカードやレッドカードが出ることもあります。
レクリエーションでは、反則を取るより「もう一度投げ直そう」と声をかけて、みんなが楽しめるように進めるのがおすすめです。
10. クラス分けについて
公式の大会では、障がいの種類や程度によって BC1〜BC4 の 4 つのクラスに分かれて競います。 たとえば BC3 は、手で投げることが難しい選手が、アシスタントの助けを借りて「ランプ(勾配具)」という滑り台のような道具から球を転がすクラスです。 持ち時間がクラスによって違うのは、こうした投げ方の違いがあるためです。
11. このアプリで簡単にしたところ
ボッチャ審判は、地域や学校、施設でのレクリエーションで、審判の負担を軽くすることを目的にしています。上のルールを基本にしつつ、次のように簡単にしています。
- ペア戦の持ち時間は、立って投げる人も多いことを考えて 4 分を標準にしています(7 分・好きな分数・タイマーなしも選べます)。
- エンドの数や持ち球の数は、時間や人数に合わせて変えられます。
- 反則の種類は区別せず、「ペナルティボール」と、エンドの得点に加える点だけを扱います。交代、カード、タイムアウトは扱いません。
- 持ち時間が過ぎても、自動では球を無効にしません。お知らせして、審判がボタンで無効にします。
- 同じ距離に赤と青の球が違う数で並んだときなど、珍しい場面の手番は自動で決めず、「次は赤(青)にする」で審判が直せます。
- 投げるたびに記録せず、エンドの得点だけを入れる「得点板」としても使えます。
アプリの操作は使い方のページをご覧ください。
出典: World Boccia International Rules 2025–2028, Version 1.0(2024 年 12 月 2 日)。 このページは要約であり、規則の正式な内容は World Boccia の公式サイトで公開されている原文に従います。